こんにちは、エンモジです!
会社を辞めると、自己都合でも会社都合でも「失業保険」の申請手続きをする方が多いと思います。私も会社を辞めた際に申請しました。
そして、給付金を期間満了まで全額受け取るのではなく、フリーランスになることを決め再就職手当を申請してハローワーク通いを終了しました。
そのときの手続きの流れを、私の経験も交えザックリまとめましたのでご覧ください。
失業保険と受給資格
失業保険(正式には雇用保険)は、自己都合退職や倒産、解雇された等で失業した方に給付される手当のことです。失業者の生活を守ること、再就職に向けての支援としてあるため、失業した方は忘れずに申請したいですね。
ただ、すべての方が申請できるわけではなく、受給資格があります。
受給資格
失業手当を受給できる方は以下の通りです。
- 離職日以前2年間に、12カ月以上被保険者期間があること
- 倒産・解雇等(特定受給資格者)の場合や労働契約の更新がされなかったこと等(特定理由離職者)の場合は、離職の日以前1年間に6カ月以上被保険者期間があること
一般的な自己都合退職者(転職のため等)は「離職日以前2年間に、12カ月以上被保険者期間があること」が必要になります。
同じ自己都合退職でも、正当な理由があれば「特定理由離職者」に該当する場合がありますので、詳しくは「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」をご覧ください。
受給手続きと必要書類
失業保険の受給の手続きは、居住地を管轄するハローワークに以下の必要書類を持っていくことで行えます。
- 離職票1、2(退職後、会社から郵送されてきます)
- マイナンバーカード(カードがない場合は、個人番号が分かるものと顔写真付き本人確認書類1つ、顔写真がついていなければ本人確認書類2つ)
- 認印
- 最近の写真2枚(縦3.0㎝×横2.5㎝)
- 本人名義の通帳、キャッシュカード
- 船員の場合は船員保険失業保険証および船員手帳
写真は街中でときどき見かける、証明写真機で撮影が可能です。マイナンバーカードを手続きごとに提示すれば写真は不要ですが、いちいち提示するのは手間だと感じ写真持参。人に見られる写真だから、印象を良くするためにちょっとだけ口角上げときました。
余談ですが、証明写真機の値段って高いですよね。通常撮影でも800円……。コンビニで安く印刷できる方法もあるみたいですが、私は面倒に感じて利用しませんでした。
給付開始時期と給付金額・日数
一般的な自己都合(以下、自己都合で統一)と特定受給資格者や特定理由離職者等の会社都合(以下、会社都合で統一)によって、手当の給付開始時期や給付日数が異なります。
失業理由別による給付開始時期の違い
失業手当の受給手続きが済むと、7日間の待期期間が発生します。その後に給付制限のある・なしが、失業した理由により相違する点です。
- 自己都合の場合……7日間の待期期間+2ヶ月の給付制限(※5年のうち3回目以降の離職の場合3カ月)
- 会社都合の場合……7日間の待期期間
会社都合の場合、7日間待てばすぐに給付が開始されるため、金銭的な生活の心配が少なくて済みます。
自己都合の場合、給付開始まで長い日数待たなければならないため、焦れったいし生活の心配も発生します。しかも、「じゃあとっとと就職しちゃおう~」と思っても、待期期間後1カ月間は、ハローワーク等や職業紹介事業者の紹介により就職していないと、再就職手当の要件に該当しないんです。
なかなかな縛り……フリーランス(個人事業主)になる場合も同様で、少なくとも7日間+1カ月は待たなければなりません。長いですよね。
受給期間はいずれの場合も離職日の翌日から1年間で、手続きが遅くなったからといって期間が延びてくれるわけではありません。給付日数が残っていても期間経過後は支給されなくなるため、早めの手続きを推奨します。
給付金額と給付日数
給付される金額(基本手当)の日額は、原則「離職前6カ月間に支払われた賃金の合計金額÷180×80%~45%」です。また、年齢等で上限が定められています。
給付日数は、自己都合・会社都合の理由別や年齢によって異なります。端的に言うと、会社都合のほうが給付日数が長いため、すぐに就職できなくてもまだ安心できます。
給付制限期間がなく、給付日数も長いため、会社都合で離職したほうが生活や心に余裕が生まれますね。
給付日数の詳細については「基本手当の所定給付日数(ハローワークインターネットサービス)」をご覧ください。
給付を受けるために必要なこと
4週間に1度、「認定日」が決められているのでハローワークに行き失業の認定を受けます。認定日の前に求職活動(ハローワークで職業相談、会社への求職申込等)を必要回数(ハローワークで案内されます)行なっていないと認められないので注意が必要です(失業保険は「働く意思がある」から受け取れるため)。
認定日には「失業認定申告書」を提出します。求職活動をした実績や働いた日を申告するためのもので、嘘偽りをせず正直に記入しましょう(でないと、不正受給になってしまいますよ!)
また、通常、失業保険を受けるには下記のスケジュールとなります。
- 失業保険申請手続き
- 職業講習会
- 雇用保険受給説明会
- 認定日
②、③は、待期期間中もしくは期間満了後に行われますが、コロナ感染対策の関係で2021年3月時には行われませんでした。
そのため、①の申請手続きをしたあと、次にハローワークに行ったのは初回の認定日です。正直、何度もハローワークに足を運ばなくて済むのは楽でした。(ハロワ利用が初めてではなく、②も③も一度経験済でしたし……)
フリーランスの再就職手当申請
失業保険は、早期に再就職をすると再就職手当がもらえます。それは、フリーランス(個人事業主)になる場合も同様です。
再就職手当要件
ハローワークで失業保険の受給申請手続きを行なった方で、要件をすべて満たし早期に再就職した場合に支給されます。
フリーランス(個人事業)を開始した場合の支給要件は以下のとおりです。
- 事業開始日の前日までの認定を受け、支給残日数が3分の1以上残っていること
- 事業開始により自立することが認められること(※)
- 「待期」経過後に事業開始したこと
- 「給付制限」がある場合、「待期」後1カ月が経過してから事業開始したこと
- 過去3年以内に「再就職手当」、「常用就職支度手当」を支給されていないこと
この中で(※)の2つ目が厄介だなぁと感じました。具体的には、「1年以上の業務委託契約書など」とハローワークの担当者さんから聞いていたので、「クラウドソーシングサイトを利用する場合や業務委託契約をすぐに結べなかった場合はどうすればいいんだろう」と悩みの種でした。
支給される金額は、支給残日数によって異なります。
- 支給残日数3分の1以上……支給残日数×60%×基本手当日額
- 支給残日数3分の2以上……支給残日数×70%×基本手当日額
詳しくは「就職促進給付(ハローワークインターネットサービス)」をご覧ください。
ちなみに、就職の場合の支給要件は以下のとおりです。
・就職日前日までの認定を受け、支給残日数が3分の1以上残っていること
・1年超雇用されると認められること
・「受給資格決定日」以後に採用内定されたこと
・「待期」経過後に就職したこと
・「給付制限」がある場合、「待期」後1カ月間はハローワークの紹介または職業紹介事業者の紹介により就職したこと
・離職前の事業主や関連事業主に雇用されていないこと
・過去3年以内に「再就職手当」、「常用就職支度手当」を支給されていないこと
・雇用保険の被保険者資格を取得していること
再就職手当申請までの流れ
事業開始日(就職日)の翌日から1カ月以内にハローワークで申請を行います。事業開始日とは、「開業日」のことです。
私の場合、待期期間7日経過後から、再就職手当の要件に該当するため1カ月間待ちの時間がありました。その間に初回の認定日を迎えたので、ハローワークの担当者に申請の流れについて(心配性のため)何度も確認しました。
個人事業を開始する予定ですが、1カ月が経過する〇日以降なら開業届を出しても問題がなく、再就職手当も申請できますよね?
問題ありませんが、再就職手当の申請に関しては、1年以上継続して事業を行なえることが認められないといけません。
(うへぇ~出たっ!)
開業したら、「自営開始(準備)届」と「失業認定申告書」、「雇用保険受給資格者証」を持ってきてください。そのときに再就職手当申請の手続きや必要書類等についてお話しします。
「自営開始(準備)届」はその場でもらいました。記入するのは、事業の名前や開業日等の事業に関すること、また、事業を開始するに至った経緯などです。
再就職手当をちゃんともらえるのかという不安を抱きつつ、要件に該当する日以降に開業しました。
再就職手当申請
再就職手当の申請は、開業してから1カ月以内にしなければいけません。しかも、「1年以上継続して事業を行なえること」というなかなかハードルの高い証拠の提示も必要です。
フリーライター始めたばかりで「1年以上の業務委託契約書など」はすぐに無理だよなぁ。
悩んだ末、とりあえず、申請時には代用できそうな証拠書類を持って行っちゃおうと企んでいました。
だって、申請の手続き→後日証拠書類を持っていく。だと二度手間で面倒臭いし……。
というわけで、当ブログトップページのスクショなどを印刷して持参。
混みこみのハロワでしばらく待ち、ようやく名前を呼ばれていざ、申請。
あの、再就職手当の申請をしたいんですけど。
(開業届の控え提出)
他に、現在事業を行なっていることが分かるものはお持ちですか?
(きたきた!)
これで(印刷したものを提出)
ブログを開設して、問い合わせ窓口も設置して~(落ち着きながらちゃんと事業やってますアピール)
それで納得してもらえたのか、ひとまず再就職手当の申請用紙を書くことができました。
支払いの通知は3、4週間後に郵送されます。もしまた必要な書類が発生したら連絡しますね。
無事支払われればいいなぁ。
不安はありましたが、追加書類を求められたらそのときはそのときと割り切り、気にせず事業に取り組んでいきました。
再就職手当申請の結果
予定よりも早い約2週間後。ハローワークから通知が!
結果は……無事、支給!!
予定よりも早い通知だったので嫌な予感が一瞬よぎりましたが、吉報に安心しました!
真面目に「働こう!」と思って行動しているのに、これで「不支給」だったら泣けますよね……。
まとめ
- 失業保険には受給資格がある
- 自己都合・会社都合の失業理由により給付開始時期などが異なる
- フリーランスも再就職手当を受け取ることができる
失業保険については細かい決まりや条件があるため、不明点等があればハローワークに直接問い合わせたほうが間違いがなく手続きできるでしょう。職員さんが優しく教えてくれますよ。
フリーランス(個人事業主)でも再就職手当を受け取ることができるため、受給資格のある方は忘れずにハローワークで手続きを行なってくださいね。
再就職手当の申請が終了し、ハローワーク通いが終わったら、あとは思う存分フリーランスとして活動していきましょう!